漢方薬とは不思議な薬である。
2000年前に中国では黄帝内経、神農本草経、傷寒雑病論の3大古典が成り立ち、黄帝内経は紀元前200年頃前漢時代人間の生理、解剖、病理など基礎的な内容を成し、神農本草経は起源25〜220年頃365品目の薬物を、上薬、中薬、下薬の3つに分類し、傷寒雑病論は後漢の末期流行病を治療するための傷寒論と雑病を治療するための金匱要略を張仲景によって書かれたものが元になっている。
それらが5〜6世紀に伝わり日本の中で取捨選択し成長を遂げ古方派、後世方派、一貫堂派などに分かれた。中医学は今までの伝統医学を取りまとめた新しい学派であり、中国では1956年に北京など4都市に中医学院が設立された。
そんな歴史をたどった薬が現代でも通用する。初め張仲景は各地の民間療法を集め単味(1種類の生薬)で治療を行ったと考えられる、しかし単味の生薬では副作用が発生しこの副作用を抑えるためにさらに生薬を加えていったといわれている。これは漢方薬が進歩し続けてきたことにより現代でも通用するのではないか?
傷寒論は熱病、今で言う風邪やインフルエンザ、 コレラ等を治療するために作られた当時民族の 2/3を失った熱病を治療するために作られたとされる。コレラは当然今も存在する病なので麻黄湯や葛根湯が今も効くのは当然であるが、その他多くの方が西洋医学では病気と診断されない人たちの苦痛を取り除いたり治すことが多々ある。
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